ちょっと未来

ちょっと未来を感じさせるガジェットやアプリ、そして作ったものについて書きます

【読書メモ】シンプルに考える 森川亮

kindle unlimitedにあったので読みました。
発行されたのはだいぶ昔ですが、組織づくりやプロダクトづくりに関して勉強になる一冊でした。

プロダクト作りに"調整”はNG

「いいもの」をつくるために、いちばんやってはいけないのは調整です。「AさんのアイデアとBさんのアイデアを組み合わせよう」と、「あれもこれも」と機能を付け加えて、複雑で使いづらいものを生み出してしまう。あるいは、「上司の好みに合わせよう」と、焦点のぼやけた曖昧なものを生み出してしまう。それでは、ユーザーの心をつかむことなど、できるはずがありません。

あるある。
ポジションの高い人が言ったアイデアとか、なんだか採用せざるを得ない雰囲気になって突っ込んだ結果、いまいちまとまりが無いプロダクトになってしまったり。

プロデューサーがコアバリューについて確固たる信念を持ってないといけないですね。

コトに向かう

コトに向かうっていうのはDeNAでよく言われることなんですが、それに通ずる話がありました。

優秀な人ほど喧嘩をしないのです。 彼らも人間です。カチンとくることを言われると腹を立てる。だから、喧嘩になる。だけど、すぐに気づきます。彼らは「いいもの」がつくりたいと思って働いていますから、喧嘩している時間がもったいない。そんなことに時間を使うのが、バカバカしいことに気づくのです。

ついつい意地を張って論破したくなる気持ちは分かる。けどそんな時間はバカバカしい、と。

そして、喧嘩をやめて議論を始めます。どちらの意見がユーザーのためになるか? 判断基準はこの一点。

どちらの意見がユーザーのためになるか?
いいですね。

たとえ、厳しい意見を投げつけられても、それは自分を攻撃しているのではない。ユーザーのために真剣に「答え」を探しているのです。

自分を攻撃されてると思うとついつい感情的に反抗してしまう。
グッとこらえて、コトに向かうと、健全な話ができる気がしますね。

ユーザーの半歩くらい先を行く

プロダクトを作っていて感じますが、ユーザーの2歩、3歩先を行くような斬新なアイデアは往々にして失敗してきた気がします。
ほんの半歩くらい先を行くのがいいように感じています。

イノベーションを生み出したい──。 これは、僕も深く同感することです。 しかし、目指すことで、かえって遠ざかるのがイノベーション

なるほど、、、

「新しいことがやりたい」「今までになかったことをやりたい」という理由で突っ走って、ユーザーが求めていないものをガンガンやっても意味がありません。それはイノベーションではなく、単なる自己満足。

自己満足!グサッ、、、!

「未来はこうなる」という考えでやったサービスはほとんどうまくいきませんでした。未来を見すぎて、結局、ユーザーを見失ってしまう。ひとり遊びになってしまうのです。

前職で「概念」ではなく「現象」を見ろ、と言われてきました。
未来はきっとこうなる!という概念ではなく、いま人々はこういうことをしている、という現象を見ろ、と。
それを思い出しました。

ユーザーが感じている「目の前」のニーズにしっかり応えることに集中する。それが企業の社会的責任でもあるし、ビジネスの成功確率を高める方法でもある。むしろ、それを 愚直 にやり続けることでイノベーションにたどり着く

時間のないスタートアップにとって、未来はこうなる、という場に張って、波待ちをしている余裕はありません。
目の前のニーズを発見しそれを着実に応えることが大事なのでしょう。

MVPというもの

リーンスタートアップではMVP(Minimum Value Product)とか言われますが、このミニマムに削ぎ落とすっていうのが思った以上に難しい。

ユーザーはこれも欲しがっている、 競合アプリはこの機能もある、
なんて声からついつい、機能を盛り込みがちです。

(LINEのデザイナーの話の流れで、、)言い方を換えると、彼らは機能をそぎ落とすのが得意。まず最初に機能を最低限にまで絞り込む。「これがなければ、プロダクトが成り立たない」というところまで徹底的に絞り込む。それは、ユーザーに提供すべき「価値」の本質を明確にする作業でもあります。そのうえで、ユーザー・テストを繰り返しながら、より使い勝手をよくするために機能を追加していくイメージです。

ユーザーに提供すべき「価値」の本質を明確にする作業
これ大事ですね〜

LINEの企画開発チームも、スマートフォン・ユーザーの綿密な市場調査を実施しました。そして、「無料電話機能」「写真共有機能」などを求める声があることを把握していました。しかし、彼らはあえてそれらの機能を盛り込まず、シンプルなメッセージ機能のみでサービス提供を開始しました。 なぜか? 当時、スマートフォンがまだ普及し始めたばかりのタイミングだったからです。多くの機能を盛り込むと、スマートフォンを使い慣れていないユーザーにとってわかりにくいものになって

「無料電話機能」「写真共有機能」、、、要望ありそう。
そしてついつい盛り込みたくなりそう。

核となる価値は、電話帳でつながっているリアルな関係性のなかで、最もシンプルに最も速くメッセージを交換できることと

この核となる機能が明確なのが強い!
これがないと、ついついブレちゃいますよね。

まとめ

全体を通して、ユーザーに価値を提供するということを第一にして、組織もプロダクトも作っているように感じました。
タイトルは「シンプルに考える」でしたが、ユーザーにとってどうなの?という軸で考えると、いろいろシンプルになっていくのでしょう。

ところでC CHANNELって最近どうなんだろう?

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